学校ではなかった笑顔がここではある

地域でキラリ☆な人を取材!
びーんずメイトVol.12「自由創造ラボたんぽぽ」
代表・米澤美法さん

神奈川県藤沢市で​自由に過ごす
子どものためのフリースペース
「ラボたんぽぽ」や、不登校の親の会
「カフェたんぽぽ」を運営している
NPO法人自由創造ラボたんぽぽ。

「学校外で、多様に自由に、
自分らしく学んでいける場所を」

と積極的に活動されている代表の
米澤美法さんにお話をうかがいました。

思い思いに過ごすラボたんぽぽの子どもたち

――今日は「ラボたんぽぽ・江ノ島市民の家」におじゃましましたが、すごくいい環境でびっくりしました。

そうでしょう? 素敵な入り江も近くにあるんですよ。

コミュニティ・ソーシャルワーカー(CSW)の方が、ここを提案してくださったんです。片瀬地区の社会福祉協議会の方に相談したら、ちょうど地域の方も若い人向けに市民の家を使ってもらいたいと思っていたところだったそうで、トントン拍子に進んでいって、あっという間に決まりました。

NPO法人自由創造ラボたんぽぽ代表 米澤美法さん

この地区の中学校では、不登校のお話し会に私も呼んでいただいたり、先生方やPTAの方々の理解もあって本当に協力的なんです。江ノ島市民の家でのラボたんぽぽの初回は、社協のCSWさんたちも来てくださって。たくさんの方が地域で不登校の子の居場所を見守ってくださっているんだなと思って、本当に嬉しかったです。

――「自由創造ラボたんぽぽ」のご活動は、今年で4年目に入りますね。  この一年はコロナもあって、運営などとても苦労されたと思うんですが、いかがでしたか?

コロナで自粛になったときは、使用していた施設も利用できなかったので、必然的にオンラインになったんですが、オンラインだと子どもの参加率はいまひとつでしたね。

不登校の子って、みんなで同じ時間に同じことをやるっていうのは――もともとそんなにね、得意じゃない子が多いので。

親が楽しんでると子どもも安心する

昨年の7月から自粛が解除されて、「久しぶりに開催するよ」ってなったときには、もうみんな「待ってました!」とばかりに来てくれたんです。

3年前からずっと来てる男の子は「楽しみすぎて昨日は眠れなかった」とまで言ってくれて(笑)。嬉しかったですね。

――「ラボたんぽぽ」の他に「マイクラ部」と、親の会「カフェたんぽぽ」と、主にその三つが活動の柱になっていますよね。

2019年の春からは、期間限定で「田んぼで遊ぼ」も始めました。

田んぼの地主さんに声をかけていただいたんです。「自分たちで続けるのはもう年齢的に無理だけど、田んぼに興味があるならやらない?」って。

かかしも作ってるんですよ、今年はゴルゴ13のかかし(笑)。そしたらお散歩で通りがかった人が、それをインスタに上げてるのをスタッフが発見して。

この日、お母さんたちには「納豆作り」のレクチャーが。「田んぼで遊ぼ」で育てた大豆とワラが材料。試食に明るい声が弾む。

――「田んぼで遊ぼ」には、子どもたちと一緒に親も参加できるんですか?

そうです。ほぼ親が楽しんでますね(笑)。

親が楽しんでると子どももね、安心するので。

当たり前の選択肢の一つになってほしい

――米澤さんがこの活動をしていらっしゃる中で、喜びややりがいを感じるのは、どういうときですか?

子どもたちが楽しそうにしてる姿からパワーをすごくもらっていますし、辛そうにしてたお母さんがだんだん笑顔になっていく姿を見ていると、私も幸せになれるというか。

その笑顔で続けられてる感じですね。

必要としてくれる人がいるってことが、私の活動の源です。

自分がやりたいと思ってやってることではあるんだけど、それが誰かの笑顔につながるっていうのは、なにより幸せだなと思ってます。

隣の部屋では「プログラミングおじさん」こと西永さん(写真右)がプログラミングを教授。興味津々でPCに向かう子どもたち。

――幸せが「循環」していく感じがしますね……。今後のご活動で、目指していらっしゃるのは?

学校以外の場所で育って学んでいく。それが当たり前な選択肢の一つになってほしいと思ってます。

「学校が合わなくてもこういうところへ行けば問題ないよ」っていうのが、地域でも当たり前になっていくように、たんぽぽとして活動していけたらと。

もっと地域の理解を広げていくことで、だんだん学校も視線がやわらかくなっていく。そういう方向が一番いいのかなと思っていて。

――北風じゃなく、あったかい太陽のように、ですね。

ラボたんぽぽの参加は、一応出席扱いになるので、学校への報告で子どもたちの笑顔の写真を先生に送ったりするんです。

そうすると「学校ではとてもこういう笑顔は見れませんでした」って言ってくださったりする。

学校ではなかった笑顔が、ここではあって。

先生たちにも「こういう面が子どもたちにあるんだよ」って知ってもらえるので、それが本当に「いい循環」になっていくのかな、と思います。

ラボたんぽぽは第3木曜に江ノ島市民の家、第2金曜に本鵠沼市民の家で開催。予約不要・出入り自由で1家族300円。

NPO法人自由創造ラボたんぽぽ
開催日/場所
●ラボたんぽぽ(子どもたちのフリースペース):​第2金曜日(本鵠沼市民の家)、第3木曜日(江ノ島市民の家)
●カフェたんぽぽ(親の会):第4水曜日(湘南T-SITE)
●マイクラ部(Minecraftを楽しむ会):第1金曜日(オンライン)
●そとラボたんぽぽ(アウトドアの会):隔月開催
Email : labotanpopo@gmail.com

金子(A)

 

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不登校インタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』Vol.10

学校へ行かずにいると、将来どうなるの?
学校に行かなくてほんとうに大丈夫なの?

もちろん、そこに正解なんてありません。
世の中の多くのものごとと同じように。

でも、
いろんな例を見聞きし、知ることができれば、
不安を和らげるのに役立つのではないか。

そんな思いから
自らも息子の不登校を体験した親である
びーんずネットの二人が、不登校をテーマに
インタビュー事例集を作成しました。

不登校・ひきこもりを経験した人。
その保護者。
子どもたちに寄り添う人。
そして自分の学びを実践した人。

そんな七人七色の「雲と青空」を、
丹念に取材してまとめました。

雲を抜けた先には、
いつも青空が広がっている――。

ぜひ、ページを繰って、
あなた自身でそれを確かめてみてください。

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