「いろんな生き方があっていい」と伝えたい

地域でキラリ☆な人を取材!
びーんずメイトVol.15「学び舎傍楽」
代表・駒井亨衣さん

京都市中京区の町家にある
「学び舎 傍楽(はたらく)」。

不登校について考えたり、
働くこと・生きることを
共に語り合ったり――
「どの世代の人にとっても気軽に
立ち寄れる居場所でありたい」と語る
代表の駒井亨衣さんに、傍楽という
居場所への思いをうかがいました。

六角油小路の町家にある「傍楽」

――駒井さんが傍楽を始められて丸七年。二人のお子さんの不登校を経験したことが、立ち上げのきっかけとうかがいました。

 そうですね、今、私の娘は三十九歳で、息子が三十六歳になるんですが、二十数年前、二人が同時期に学校に行かなくなったんです。

 二年間、私自身も夫もそうですけど、家族みんなが孤独で苦しかった時期でした。

 そのときに「孤独」が一番人間にとって辛いというか、敵だなと思ったんです。

「学び舎 傍楽」代表 駒井亨衣さん

 私はたまたま親の会に行っていたんですけど、そこで本当に救われたんです。共感してもらえることのありがたさ、一緒に悩んで涙を流してくださる方がいるありがたさをすごく感じて。

 ああ、やっぱりこういう場がみんなに必要だなって思いまして、それで自分でもそんな場をつくりたいな、と思ったんです。

気づかせてくれたのが不登校

――駒井さんがナオミの社長(※)でいらしたときに、会社のCSR活動として始められたんですよね。傍楽には坪庭もあって、本当に素敵な町家で。

※小型充填機の製造販売メーカー、(株)ナオミの代表取締役社長を2009年から務めた。2020年4月からは代表取締役会長に。

 場所を探していたときに、一件目でここを紹介されて。一目で気に入りました。

 場の力というのは結構あるなって思いますね。みなさん「ゆるむ」というか。

 みなさん最初は緊張して来られるわけじゃないですか? でもここに入った途端、「おばあちゃんの家」に来たみたいに一気に心がゆるんでいく感じがするんでしょうね。何を話しても大丈夫なんだっていう、安心の場というか。

 この場所がすごく力を貸してくれているような感じがします。

――傍楽に通って来られる方の変化や成長を感じることはありますか?

 傍楽のお母さんの会では、たまに「同窓会」をするんです。そうすると確実に変わっていらっしゃるというか――。

「結局、自分がどう生きるかなんだなっていうところに行き着きました」ってみなさん仰るんですね。

「最初は子どもの問題で苦しんでいたけれど、やっぱり自分の生き方だったんだな、それを気づかせてくれたのが不登校だった」みたいなことを仰るんです。

「自分が楽しんで生きることを考えてます」って言っていただけることが、私にとってはすごく嬉しいことで。

 そういう道を段々たどっていかれるなっていうのが、傍楽をやっているうちに見えてきたことですね。

 だからそういう「先輩」のお母さんたちがたまに入ってくださると、お子さんが不登校になったばかりのお母さんたちがものすごく救われますね。「先が見える」ことで。

――先が見える。

「ああ、大丈夫なんだな」、「今は苦しいけど光が見えてくるときがくるんだな」とかね。

 やっぱり渦中のお母さんって、もう真っ暗闇の中にいらっしゃるので。トンネルの中にいて本当に苦しい状況で。だからそういう先輩の話はすごく希望になるなって思いますね。言葉がズシンと入ってくるというか。視野が狭くなっていたのが、パッと開けるような、そんな感覚かなと思います。

カナダ在住の長女・友美さんも、傍楽の事務局としてオンライン経由で企画をサポートする。告知物のデザインも友美さんが担当。

ほっこりできる場所であれたら

――傍楽は不登校だけでなく、就職活動に悩んでいたり、生きづらさを抱える若者だったり……。誰が何を相談しに来ても、迎えてくれる感じがいいですよね。

 私もこれまで会社を経営してきた中で、若い人たちにもたくさん会ってきたんですが、やっぱり生きづらさを抱えている子たちが非常に多いんですよね。

「どう生きていったらいいのかわからない」とか、会社に入っても「本当にこのままでいいのかな」とか。かといって自分の思っていることを伝えられる場所もなく、一人で考えて孤独になってる若い人たちが多いんです。

傍楽では、不登校に限らず年代や立場を超えて「はたらく」と「生きる」を一緒に考える様々な勉強会を開催している。

 多くの方が「こうあるべき」「こうでなければならない」に苦しめられてるなっていうのをすごく感じるんですよね。

 若い人だけじゃなくて、お母さんたちもやっぱり不安の中で生きている。

 だから「あなたはあなたで素晴らしい」「いろんな生き方があっていいよ」っていうことを伝えたいな、って思ってます。

 どの世代の方々にも来ていただける、ほっこりできる場所であれたらいいですね。

――そんな間口の広いところが傍楽の魅力ですね。

 一生、みんな悩んでいきますからね。

 次から次へとね、なにかと出てきますし(笑)。

 そのときに仲間がいたり、居場所があるとずいぶん救われるんだろうなって。私もそうでしたけど、あのとき吐き出せる場所があって本当に良かったなって思いますのでね。

 傍楽で心の荷物を置いて、楽になって帰ってもらえたら嬉しいですね。

駒井さん(中央)とスタッフのみなさん。しんどさを吐き出したいと思ったときは、ぜひ傍楽へ。

学び舎 傍楽(はたらく)
●住 所: 京都府京都市中京区六角油小路町345−2
●内 容:不登校のおはなし会(月1〜2回)ほか 

金子(A)

 

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不登校インタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』Vol.6

学校へ行かずにいると、将来どうなるの?
学校に行かなくてほんとうに大丈夫なの?

もちろん、そこに正解なんてありません。
世の中の多くのものごとと同じように。

でも、
いろんな例を見聞きし、知ることができれば、
不安を和らげるのに役立つのではないか。

そんな思いから
自らも息子の不登校を体験した親である
びーんずネットの二人が、不登校をテーマに
インタビュー事例集を作成しました。

不登校・ひきこもりを経験した人。
その保護者。
子どもたちに寄り添う人。
そして自分の学びを実践した人。

そんな七人七色の「雲と青空」を、
丹念に取材してまとめました。

雲を抜けた先には、
いつも青空が広がっている――。

ぜひ、ページを繰って、
あなた自身でそれを確かめてみてください。

「いろんな生き方があっていい」と伝えたい” に対して 2 件のコメントがあります

  1. 日吉佳代子 より:

    「学び舎傍楽」を読ませていただいて感じたこと。「ほっこりできる場」「ここに入った途端に、おばあちゃんの家に来たみたいに一気に気が緩む」「何を話しても大丈夫という安心の場」「自分の居場所があるので救われる」「吐き出せる場がある」。「学び舎傍楽」のことを、皆さんはこんな風に感じておられる。とってもいい場所ですね。子どもたちにとって、家庭がこんな「学び舎傍楽」のような雰囲気の場になったら、子どもたちも救われますね。元気が出て、また外へ出ていけるのかしら?と思う。

    1. beansnet より:

      日吉さま

      びーんずネット事務局の金子です。
      コメントありがとうございます。お返事遅くなってしまい、申し訳ございません。
      「学び舎傍楽」さんへはインタビュー事例集第4号の取材で伺いましたが、駒井さんのあたたかなお人柄もあって、本当にほっこりできる温かい場所でした。
      大丈夫と安心できる場所があること、それは子どもにも大人にも大事ですね。

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