見学はさせません。遊びに来てください!

地域でキラリ☆な人を取材!
びーんずメイトVol.13「笑いのたねプロジェクト」
代表・後藤誠子さん

岩手県北上市で、不登校ひきこもりの
当事者の居場所「ワラタネスクエア」を
主催している「笑いのたねプロジェクト」
代表の後藤誠子さん。

ラジオパーソナリティーや
オンライン交流会など、
日々積極的に活動されている後藤さんに、
居場所を始められたきっかけと
日々の様子をお聞きしました。

とある日のワラタネスクエアの様子

――今ワラタネスクエアは週5日開いていますが、毎日何人ぐらいの方がいらっしゃるんですか?

毎日10人前後の方々がたむろしてるっていう感じです(笑)。

いわゆるひきこもりと言われるような30代から50代の人たちが多いですね。最近は中高校生の不登校のお子さんもぽつぽつと来るようになってます。

笑いのたねプロジェクト代表 後藤誠子さん

ここに来るみんなが口を揃えて言うんです。だいたい新しい居場所に行くと「常連さん」がいて固まってるから、最初の一歩がすごく緊張する。でもワラタネスクエアの場合は、もう前から来てたみたいな感じでスッと入れるって言ってくれます。

あと当事者の人だけじゃなく、若いキャリアコンサルタントのお母さんが来たり、大学で福祉を勉強している学生さんたちが来たり、いろんな人が来てます。

――そういう方々は一人の参加者としていらっしゃるんですか?

そうです、そうです。

「見学させてください」ってよく言われるんですけど、私言うんです。「見学はさせません。遊びに来てください」って(笑)。本当に友達の家に遊びにいく感覚で来てもらいたいですって。

――友達の家感覚で。のんびり寝転んでてもいいし、自分のことを話したり……みなさん自由にされてるんですね?

本当に自由です。スマホをずっといじってる人もいるし、ただただ人の話をずっと聞いて相づちをうってる人もいるし。

行政に言っても門前払いだったので

――誠子さんがそもそもこの居場所をつくりたいと思ったのは、どうしてですか?

親の会などで、不登校とかひきこもりの子をお持ちの親御さんたちがみんな言うんです。「家から出られるようになったときに行ける場所がほしい」と。「今この人たちは動かないで家にいるけど、それは場所がないからなんじゃないか」って。

私もそうかもしれないって思ったので、居場所がほしい、必要だって、ずっと行政や社会福祉協議会に言い続けていたんですよ。

でも行政は「つくっても誰も来ないかもしれないんでしょ」って。

「来るこないじゃなくて、居場所があること自体が大事なことなんですよ」って力説しても、ポカンっていう感じで 「このおばちゃんは何言ってるんだ?」(笑)。

だから最初は自分でつくったんですよ。これはいつまで待ってもやってくれないって思って。でも今年の4月からは北上市の社協が運営に協力してくれることになったんです(笑)。

それぞれ思い思いに好きなことをして過ごすメンバー。後藤さんの息子さんもピアサポーターとして週2回参加している。

――まず自分でやって見せるしかないというところから始められたんですね。
ここへ来て、来ていることで変わっていかれる方もいらっしゃいますか?

ここに来るのが本当に楽しくなっちゃって、一時期は毎日のように来ていた方がいたんですよ。そしたらちょっと体調を崩してしまって。たぶん楽しいから無理してたんですよね。

そのあとまた来るようになったんですけど、今は自分で無理しないようにしているみたいで。来てすぐ帰ったりとか。 それは私、逆にすごい進歩だと思っていて。自分のことがわかるようになってきたんだと思って――すごいなと思います。

ごちゃまぜの空間にしたい

――たぶん誠子さんとみなさんがつくる場の温かさがいいからですよね。ただただ楽しんで一緒にいる。その安心感がすごくあるんだろうなって。

ここに来てる人に「誠子さんは頭のネジが2、3本、人よりない」って言われたことがあって(笑)。普通ならみんながびっくりするような言われようだと思うんだけど、私は「えー、そういうふうに言ってもらってすごい嬉しい」って喜んだりしてるので。たぶんそういうことの積み重ねで。

他の居場所で同じことを言うと「変なこと言う」みたいな雰囲気になってたんじゃないかなと思うんですね。でもどんなことを言われても私も面白がるから。だからたぶん引き出されてきてるんだと思います。

IBC岩手放送の取材を受ける後藤さん。「不登校ひきこもりの話を明るいところで」をモットーに積極的な発信を続けている。

――これからワラタネスクエアをどんな場にしていきたいですか?

違う世代間で触れ合える、本当にごちゃまぜの空間にしたいなと思います。フリースクールみたいな感じにも、ゆくゆくはしていきたいなって。

お互いに教えあう場所にしたいんです。先生が子どもに教えるんじゃなくて。今日は誰かが教えてくれる、明日は昨日教えられてた人が教える、みたいな場所になったら最高ですね。

ここを中心にいろんな循環が起きてきて、新しいコミュニティーができたらいいなって本当に思います。たぶん時間がかかると思うんですけどね。でもずっとライフワークとしてやっていきたいです。

農家から贈られたリンゴと後藤さん。物や優しさが循環する社会に!との思いから、ワラタネでは物々交換も行っている。

ワラタネスクエア
開催日/場所
●開催日:毎週火〜土曜日 13:00〜17:00
●住 所:〒024-0094
北上市本通り2丁目3−38
(ラーメン屋:バードメン隣)
●参加料:無料
●問合先:bananafish10338@gmail.com
後藤誠子公式サイトhttps://seikogoto.com/

金子(A)

 

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不登校インタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』Vol.10

学校へ行かずにいると、将来どうなるの?
学校に行かなくてほんとうに大丈夫なの?

もちろん、そこに正解なんてありません。
世の中の多くのものごとと同じように。

でも、
いろんな例を見聞きし、知ることができれば、
不安を和らげるのに役立つのではないか。

そんな思いから
自らも息子の不登校を体験した親である
びーんずネットの二人が、不登校をテーマに
インタビュー事例集を作成しました。

不登校・ひきこもりを経験した人。
その保護者。
子どもたちに寄り添う人。
そして自分の学びを実践した人。

そんな七人七色の「雲と青空」を、
丹念に取材してまとめました。

雲を抜けた先には、
いつも青空が広がっている――。

ぜひ、ページを繰って、
あなた自身でそれを確かめてみてください。

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