ママが笑顔でいると子どもも笑顔になる

地域でキラリ☆な人を取材!
びーんずメイトVol.8「TIDA’s house」
小川じゅんさん

子育てママや放課後の子どもたちの
居場所になっている、
川崎市宮前区野川にあるTIDA’s house。

誕生のきっかけは、近くに住む小川さんが
「地域住民の交流の場にしたい」
と大家さんにかけ合ったことでした。

「駄菓子屋さん兼コミュニティスペース」
を運営されている小川さんに、
お話をうかがいました。

築60年の空き家を一年がかりでリノベーションした

――小川さんは最初のお子さんを出産された後、産後うつになられたそうですね。

かなりしんどかったです。

出産が四十時間以上かかって、もう疲れ果てて退院して、全身むくんだまま、初めての子育てが一人でスタートした状態でした。

何にもわからないまま……。当時は母ももう亡くなっていたし、主人は夜中は仕事だったので。

娘には本当に申し訳ないんですけど、子育て自体が全然楽しくなかったんですよね。

うちの子は全然寝ないし、泣いてるし、抱っこしてないと駄目だし、どんどんどんどん……もうベッドに投げたときもありましたし。本当にうつだったと思います、今考えたら。

その後しばらくしてから子育てアドバイザーっていう資格を知って。

私みたいに大変な思いをしてるママたちがいるだろうなと思って、自分が落ち着いてきたころにアドバイザーの認定を取ったんですよ。それが始まりですかね、今こういう活動をしてるのは。

TIDA’s house代表 小川じゅんさん

――確か2018年のびーんずネットのセミナーに小川さんが参加してくださったときでしたよね? 近所の空き家のリノベーションを始めたと仰っていて。

はい。その年の4月から一人で草刈りから始めました。

ここが空き家のままずっと放置されてるのは知ってたから、大家さんに「あの家どうするんですか」って直接聞いたんです。「コミュニティースペースみたいなことをやりたい。あと駄菓子屋さんも」って話したら、「いいよ、いかようにもやっちゃって」って言ってもらえて。

徐々に手伝ってくれる仲間も増えて、みんなで手作りでリノベーションしました。

通称「デトックスハウス」

――駄菓子屋さんの他には、ここでどんなことをしていますか?

お茶べりハウスっていうママたちのお話会を月2回、第2・第4水曜日の午前中にやっています。

駄菓子屋さんは週三回火・水・木曜日で、子どもたちが帰ってくる時間――大体15時~17時ですね。

玄関を上がってすぐのリビングには昔懐かしの駄菓子がトレーいっぱいに並んでいる。いずれも数十円で買えるものばかり。

――お茶べりハウスは小さいお子さん連れのお母さんが多いですか?

小さいお子さん連れよりも小学生のママが多いですかね。

話題はダンナの愚痴と(笑)、あとは子育ての悩みです。

みんなしゃべればね、すっきりして帰るじゃないですか?

ここでは発酵ヨモギ蒸し「ビオスチーム」もやってるんです。だから私、ここを通称「デトックスハウス」とも呼んでいて(笑)。

おしゃべりして、気晴らしして、デトックスしてもらう。それでまた子育てと家事を頑張る。

ママたちが笑顔でいると、子どもも笑顔になるので。

やっぱりママたちは子ども優先になっちゃうんですよね、子育てしてると。

でもまずは自分じゃない? 自分のやりたいことはやっちゃっていいんじゃないの? って思うんです。

うちの子たちもそうですけど、私が好きなことをやってると、それが当たり前というか。「好きなことってやっていいんだ」っていう感覚にたぶんなってるんですよね、彼らも。なので、好きなことはやろうよ、我慢しないで、っていう。

――好きなことを我慢しないで。

「ティーダ」って沖縄の言葉で太陽なんです。ティダズハウスは「太陽のおうち」って意味なんですけど、ポカポカ温かくて、ずっとみんなの笑顔があふれるような場所であり続けられたらなって思ってます。

ホッとできる時間を持ってほしい

――学校が苦手なお子さんもいらしたりしますか? 駄菓子を介してなら話しやすいんじゃないかなと思いますが。

来てます。駄菓子には利益はないので(笑)、やってるのはそれが目的です。気楽にしゃべれる場というか。

私とおしゃべりして、ちょっと駄菓子を食べて帰っていく、そういう子もいますね。

駄菓子スペースの奥は南東向きの明るい6畳間。買った駄菓子をここで食べながら、くつろぐこともできる。

例えばお茶べりハウスにお母さんと一緒に来ても全然いいんです。ここはWi-Fiがあるのでゲームを持って来てもいいし。

一歩でも外に出るのを目的にして、来てくれたらいいなって。

私は当事者の親じゃないのでわからないですけど、でもやっぱり話を聞いてるとね、一日家にいるんだったら、少しでも太陽の光を浴びて、ここに来てくれたらなって。

――ここはまさに太陽の家だから。

そうですね(笑)。

お菓子をつまみながら他愛もない話をして、ちょっとでもホッとできる時間を持ってもらえたら、と思ってます。

見ているこちらまで満面の笑顔になるような壁面の太陽の絵。知り合いのイラストレーターさんが描いてくれた。

TIDA’s house(ティダズ ハウス)
・駄菓子屋さん:毎週火・水・木曜日15:00-17:00
・お茶べりハウス:毎月第2・4水曜日9:30-12:30
(参加費:300円・フリードリンク制)
※開催日・時間が変更になる場合もあります。
・場所:川崎市宮前区西野川1-39-4
・連絡先:小川じゅん
 tidas.hug@gmail.com
 http://tidas-house.com/
 https://ameblo.jp/chibinandatte/

金子(A)

 

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不登校インタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』Vol.10

学校へ行かずにいると、将来どうなるの?
学校に行かなくてほんとうに大丈夫なの?

もちろん、そこに正解なんてありません。
世の中の多くのものごとと同じように。

でも、
いろんな例を見聞きし、知ることができれば、
不安を和らげるのに役立つのではないか。

そんな思いから
自らも息子の不登校を体験した親である
びーんずネットの二人が、不登校をテーマに
インタビュー事例集を作成しました。

不登校・ひきこもりを経験した人。
その保護者。
子どもたちに寄り添う人。
そして自分の学びを実践した人。

そんな七人七色の「雲と青空」を、
丹念に取材してまとめました。

雲を抜けた先には、
いつも青空が広がっている――。

ぜひ、ページを繰って、
あなた自身でそれを確かめてみてください。

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