あなたを受け入れてくれる居場所はある
地域でキラリ☆な人を取材!
びーんずメイトVol.25
「新世界への修学旅行」早川芽生さん・稲原萌南さん
日本全国のゲストハウスと連携し、
子どもたちに“学校の枠組みを超えた
修学旅行”を提供するプロジェクト
「新世界への修学旅行」。
2014年に始まり、コロナ禍で休止していた
このプロジェクトを再始動させたのは
2人の大学生でした。
代表の早川芽生さんと
事務局を務める稲原萌南さんに
活動への思いをうかがいました。
――「新世界への修学旅行」を2022年に再始動して、12月の東京の修学旅行がその第一弾だったそうですね。
早川:今回の修学旅行はあるオンライン・フリースクールさんと連携して、そこに在籍している子たち向けの企画だったんですけど、もう準備段階からお子さんたちの熱量が本当にすごくて。
「作戦会議」と称して、子どもたちとは事前にオンラインで修学旅行の打ち合わせを何回かしたんです。
打ち合わせをしていくうちにその子たちのチャットがどんどん盛り上がって、会話も弾んでいって。「リアルで会う」という大きな一歩に向けて、彼らがこの修学旅行に期待を寄せてくれたことが、すごくうれしかったです。
稲原:参加者の年齢は小学4年生から中学2年生までの10人で、いちばん遠くから参加したのが兵庫県のお子さんですね。
今回の宿泊先は浅草橋のゲストハウス「Little Japan」で2泊3日で開催したんですけど、渋谷や原宿、池袋や秋葉原に行ったり――東京にはいろいろ見どころがあるから、どこに行って何をするか「自分たちで決める」ことをツアーのコンセプトにしたんです。
早川:初日に集まったときはやっぱりみんなよそよそしくて、探り合ってる感じだったんですけど、みんなでできる簡単なゲームとか、自己紹介の仕組みを工夫して。
一泊してからはやっぱり近づいてましたね。徐々に仲良くなっているな、みたいな。
これで修学旅行に行けたと威張れる
――2泊3日を終えて、子どもたちの変化を感じましたか?
稲原:はい。今回修学旅行をきっかけに、参加してくれた子ども同士の交流が見られたり、スクール内での活動がより活発になったとスクールの方から聞きました。やっぱりリアルな体験って大事だなって。
2泊3日はたぶんすごい大冒険だったと思うんですよね。最終日にはもう晴れ晴れとした背中で帰っていってくれたので。そういう変化がすごくうれしかったし、この活動の意義があるなって感じました。
早川:個人的に一番うれしかったのは、親御さんが書いてくれたアンケートです。
「あんなにおとなしい子が、帰ってきてからずっとべらべら修学旅行のことをしゃべっていて、『これで私も修学旅行に行けたって威張れる』って。もうミラクルです。本当に本当にありがとうございました」って書いてくれたんです。
稲原:うれしかったね、あれは。
このレールだけが全てじゃないよね
――お二人とも東京大学に在学中の学生さんですが、なぜこの活動に関わるようになったのですか?
早川:彼女とはもともと高校からの同期で、私がこの活動に誘ったんです。
私自身はまちづくりとか地域活性に興味があって。大学を休学して2年前から日本全国のいろんな場所に2週間とか1か月とか、短期のスパンで移り住んでは次の場所へという生活をしているんです。
そんな中で知り合った東京の檜原村にあるゲストハウスのオーナーが「新世界への修学旅行」立ち上げの発起人だったんです。
コロナ禍で活動を休止していることや、メンバーそれぞれが本業で忙しくなってコアになれる人がいないって聞いたときに、「やりたいです」って私がお願いしたのか、お願いをされたのか……もはやわからないですけど(笑)。
“ゲストハウスで修学旅行”ってシンプルに楽しそうだなと。私のタイミング的にも今、飛び込みたい世界かもしれないと思って。
実感値としても、この活動は必要かもしれないと思ってますね。
稲原:私自身は学校教育を存分に吸収してきた人間なんですけど、それでもやっぱり今の学校教育に思うところはあって。どこかレールを敷いてるというか、そこから外れる子に寛容じゃないというか。レールに則って進む子には優しいけど、ちょっと違うなって感じている子には優しくない。
大学三年生になって私はレールからはみ出したくなったんです。就職活動がしんどいなと思っていたときに、「新世界への修学旅行」をやろうと誘われて。
子どもたちもそうだし、私みたいな大学生もそうなんですけど、今のこのレールだけが全てじゃないよねって。視野を広げれば人生を楽しんでる大人はいっぱいいるし、しんどいなと思ってるあなたを受け入れてくれる居場所はある。それがもっと可視化されたり社会に広まったら、もっとラクに生きられる人が増えると思うんです。
早川:最近は私の好きな土地の人たちに彼女を紹介しまくってます。「取りあえず萌南を呼ぶ!」みたいな感じで(笑)。
稲原:世界が広がりますしね。ただいろんな人がいすぎてもうよくわかんない(笑)。
新世界への修学旅行
詳細はhttps://newworld-journey.org/
・ツアー行程:2泊3日〜3泊4日程度
・ツアー代金:25,000~50,000円程度
(宿泊費、食費、旅行保険代含む。交通費は別途)
実施人数:毎回10名程度
※実施地域によって毎回異なる。
金子(A)
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不登校インタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』Vol.10
学校に行かなくてほんとうに大丈夫なの?
もちろん、そこに正解なんてありません。
世の中の多くのものごとと同じように。
でも、
いろんな例を見聞きし、知ることができれば、
不安を和らげるのに役立つのではないか。
そんな思いから
自らも息子の不登校を体験した親である
びーんずネットの二人が、不登校をテーマに
インタビュー事例集を作成しました。
不登校・ひきこもりを経験した人。
その保護者。
子どもたちに寄り添う人。
そして自分の学びを実践した人。
そんな七人七色の「雲と青空」を、
丹念に取材してまとめました。
雲を抜けた先には、
いつも青空が広がっている――。
ぜひ、ページを繰って、
あなた自身でそれを確かめてみてください。