子どもが失敗してからが僕たちの仕事

地域でキラリ☆な人を取材!
びーんずメイトVol.18
探求フリースクール マチラボ代表・広田悠大さん

東京都町田市のコワーキングスペースを
活用した「探求フリースクール マチラボ」。

生徒たちがデザインした
オリジナルエコバッグ
「MACHIDA IN THE TOKYO
(町田は東京です)」が話題になるなど、
ユニークな活動を積極的に進める代表の
広田悠大さんにお話をうかがいました。

「MACHIDA IN THE TOKYO」のトートバッグ

――マチラボといえば、生徒さんたちが作ったこの話題のエコバッグですよね。商品化の経緯を教えていただけますか?

生徒とアイデア会議を何回も重ねて、最終的にエコバッグにいきついたんです。「自分たちがやりたいこと」じゃなくて、「社会が何を必要としてるんだろう?」っていうマーケティングリサーチからやって。

レジ袋が有料化になったから多分エコバックの需要が高まるよねとか、在庫を置くスペースって限られてるから、1サイズの在庫だけで済むものがいいよねとか。

たまたまデザインやイラストが好きな生徒が集まっていたのと、近くにトートバックのプリントをやってくださる企業さんがいたのもあって。しかもその企業さんは工場見学も積極的に受け入れてくださって、連携して商品化できたんです。

探求フリースクール マチラボ代表 広田悠大さん

――ツイッターでバズりましたよね?

アウトプットがバズったっていうのは、すごく傲慢な言い方をすると必然的だったのかな? とは個人的には思ってます。 「地域にとって何が必要か」という観点でマーケティングリサーチを突き詰めた結果、「町田は東京都なのに神奈川県だって思われている」っていう課題感にあたって。

じゃあそこを解決するにはどうしたらいいか、からこのデザインが生まれたので。

トートバッグである必要はなかった

うちのフリースクールは、まず前提として学校復帰を目的にしていないんです。社会での自立を目的にしているんですね。

じゃあ何をもって社会で自立したと言えるのかというと、やっぱり子どもが自分で稼げるようになって初めてそういう言い方ができると思うんですよ。

なので、探求学習のコンテンツとして「自分で作ったものを自分で販売して、経済的な価値があると認められる」というプロセスに伴走するっていうのは、もともとマチラボの構想の中にあったんです。

自分たちが作った商品がきちんとお金という価値で認められる、というプロセスを経験するのがこのトートバックを作った背景にあるんです。

究極的に言えばトートバックである必要は全くなくて。地域のリソースや子どもたちのやりたいことを総合的に考えた結果、こうなったっていう形ですね。

地元町田市にあるカスタムプリント工房を見学。自分たちの企画が実際にどう形になるか、印刷工程をしっかり見て学んだ。

――そういうプロセスに伴走していくには、広田さんはどういうことに気をつけていらっしゃるんですか?

やっぱりファシリテーションですね。生徒に対してあくまで問いかけるだけなんです。生徒にとって答えやすいぐらいに細分化して質問していくっていうのが、僕の役割かなと思ってます。

だから最初の段階ではどうなるか、全くわからない状態で始めます。結論ありきでファシリテーションしちゃうと、僕の考えてる以上のアイデアって出ないんですよ。それだとつまらないので。

まずは好きなようにやらせてみる

――子どもたち自身が一から作りあげた商品が売れたら、自信につながりますね。

「自分はやったらできるんだ」っていう感覚とか経験って、絶対必要だと思うんです。  結論ありきのワークショップだと成功体験を奪うことになってしまうので――失敗でも成功でも、それを経験することが大事だと思ってます。

マチラボが大切にしているのは“失敗させないこと”じゃなくて、失敗したとしてもそこからどうやって巻き返すか、人に助けを求めるか、挽回するか――そういうノウハウを強化していきたいんですよね。

だからまずは子ども自身に好きなようにやらせてみる。その結果が悪かったとしたら、再発防止策を講じるためにはどういう手段があるのか? アイデアがあるのか? 心がけがあるのか? 習慣があるのか? っていうところを子どもたち自身に問いかける。そうすることでしか、本当の意味で学ぶことはできないので。

失敗してからが僕たちの仕事で、失敗するまでは子どもたちの自由っていう……その“すみわけ”は常にスタッフとも共有していますね。

地域のお祭りでもマチラボオリジナルのエコバッグを販売。ウィットに富んだデザインがツイッターでも話題に。

――マチラボのスタッフには、学生インターンの先生もいらっしゃいますね。

今は学生インターンの先生に現場をまかせて、僕は学校対応とか保護者対応を主にやらせてもらえるようになったので、かなり動きやすくなりました。

インターンの先生たちにお願いしているのは、「まず自分が楽しむ」ということ。

先生たちが楽しんでいない場で、子どもたちに「楽しさ」を提供するのは到底不可能なことなので。

まず自分が心から楽しむ。

その上で今までの経験とか専門性をいかんなく発揮してもらえたらいい。 「寄り添う」ことの本質は、相手と感情を共有することだと思うので――「楽しい」だけじゃなく「悲しい」とか「悔しい」とかでもいいんです。生徒と感情を共有して一緒に時間を過ごすことが、最大の「寄り添い」になるのかなって思いますね。

マチラボは地域のイベントにも積極的に参加。地元の人や企業と連携しながら活動している。

探求フリースクール マチラボ
〒194-0021
東京都町田市中町3-10-6
小田急線町田駅北口徒歩10分
TEL 090-5828-4869
Email machi.labo@madhida-labo.com

金子(A)

 

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7年間の不登校から15歳で飛び込んだ社会は、思っていたよりあたたかかった

実際に社会に飛び込んでみて思ったこと。

夢を追いかける中で、不登校時代のトラウマと向き合う決心をしたこと。

不登校支援団体のボランティアスタッフとして、不登校の当事者・保護者の方々とのたくさんの出会いを通じて感じたこと――。

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