一歩踏み出す、そのきっかけとしての居場所

地域でキラリ☆な人を取材!
びーんずメイトVol.7 「木々のうた」
竹内春雄さん

川崎市中原区の元住吉駅近く。
ブレーメン通りから少し入った場所にある
コミュニティスペース「感泣亭」で月1回、
不登校の子どもたちの会が
開催されています。
その名は「木々のうた」。
会の世話人、竹内春雄さんに
お話をうかがいました。

コミュニティスペース感泣亭(かんきゅうてい)

――竹内さんは「不登校の親の会 川崎の会」の代表もされていますよね。親の会とは別に子どもたちの居場所も始めようと思った、そのきっかけを教えてください。

「木々のうた」が発足したのは去年のちょうど今頃ですが、きっかけは三年前くらいかな? 不登校の子たちの「オフ会」に私が出たことなんです。

中高生が十四、五人集まって交流をする。

ああ、こういうふうに若者たちがしゃべっている会があるんだ、と。

外に出られない不登校の子どもは多いと思うんです。不登校の子の親には親の会があるけど、当事者同士はなかなか交流できない。

外に出たいと思っても、そういう機会がないとやっぱり一歩踏み出せないじゃないですか。

だからそういう機会をつくれば、一歩踏み出せる人は来るかなと思って。それで始めました。

木々のうた世話人 竹内春雄さん

――実際に始めてみて、いかがでしたか?

一回目は誰も来ませんでした。

二時間待ってましたが……二回目も誰も来ませんでした。

三回目に高一の女の子が突然、ひとりで来たんですよ。もうひとり、中二の男の子も来ました。その子はお母さんと一緒に。

最初は大人はなしで当事者だけっていう趣旨だったんだけど、その子がお母さんとだったら一緒に行くって言っていたので、じゃあ大人もいいですよってなりました。

何をしても、しなくてもいい

三回目までは親の会でいつも利用している会議室でやってたんです。でも会議室ってのはどうにも殺風景だなと思って(笑)。

もう少しリラックスできる雰囲気の所がないかと考えていたときに、「多様な学びプロジェクト」の生駒知里さんに感泣亭を紹介してもらって。オーナーの小山正見さんにも賛同していただいて、四回目からはここでやってます。

――今来ているお子さんたちは、どのくらいの年代の子が多いですか?どんな雰囲気なんでしょう?

小学三年生から中学生、高校生、大学生の子もいます。

別にね、何をしなきゃいけないっていうのはないんですよ。

何をしてもいい。

だからそれぞれの思いで――例えばコーヒーを淹れておもてなしをしたいっていう小学生もいて(笑)。コーヒー豆を自分で挽くところからしていたりね。

コーヒーを飲んで、シフォンケーキを食べながら思い思いに過ごす。小学三年生から大学生まで、幅広い年齢層の子が集う。

イラストが好きな中高生の子たちは絵を描いたり。大学生で参加してくれる子は手品が得意で、みんなに披露したりしてます。

――みんなそれぞれ好きなことをして過ごす時間なんですね。

それぞれが自分のやりたいことをやる。ただ好きなことをやってるだけなんだけど、雰囲気としては「一緒にある」というか。

家とは違ったイメージ。つまり他人が来ている、そういう関係の中でコミュニケーションするとか、馴染むとか。

家じゃない、ちょっとだけ日常とは違う世界。

だからそれなりに楽しいし、参加してるんじゃないかな。そこに美味しいコーヒーと手作りのシフォンケーキもある。

「木々のうた」の名前は詩人・田村隆一の詩からつけた。「この詩の中の木は、不登校の子たちそのものだと思った」と竹内さん。

一歩踏み出すきっかけになれば

――こんなふうにみんなで集まって好きなことをしている会があるよ。行ってみる?みたいな、そういう気楽さがあるんですね。

来て黙っててもいいと私は思ってるんです。みんなが活動してるのを見て、そしてコーヒー飲んで、ケーキ食べて、それでサヨナラでもいいと。

たとえそれが三人でも、二人でも、一人でもね。

どっちにしても、いつかこう一歩踏み出すという……子どもたちの気持ちが外に向く時期があるだろうと。

そのきっかけになればいいと思ってます。

――一歩踏み出すためのきっかけ。

もちろん一歩踏み出すその先が、最初から社会であってもいいんです。

でも第一歩でポーンと飛び超えるんじゃなくて、もっと気軽に行ける場所があってもいいと思います。

何も気を使わなくていい。別にしゃべらなくてもいい。ただその雰囲気の中にいる。それだけでいい場所。

自分の家から出て、違う場所に行って、違う人間と会うっていうね、そういうプロセスがやっぱり必要なんだろうなって思っています。

たぶん、すぐには外に出られないでしょう。不登校で誰とも会ってない子は。  でも子どもはいつかは冒険しなきゃいけないんです。

安心して冒険する。一歩踏み出してみる。

出てみたいと思ったその時に、一つのね、居場所としてこの木々のうたもありますよ、ということを伝えたいですね。

竹内さん(左)と感泣亭オーナーの小山さん(中央)も一緒にテーブルを囲む。子どもたちとの会話も弾むひととき。

木々のうた
・開催日:毎月1回開催(日程は要確認)
・開催時間:14:00〜16:00
・場所:感泣亭 川崎市中原区木月3丁目14-12
(東急東横線元住吉駅徒歩10分)
・参加費:無料
・申込み:不要
・連絡先:竹内春雄 090-3962-6996
 minamimanab5@yahoo.co.jp

金子(A)

 

ブログランキングに登録しています。
応援いただけたら嬉しいです。クリックお願いします。

にほんブログ村 子育てブログ 不登校・ひきこもり育児へ

不登校インタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』Vol.3

学校へ行かずにいると、将来どうなるの?
学校に行かなくてほんとうに大丈夫なの?

もちろん、そこに正解なんてありません。
世の中の多くのものごとと同じように。

でも、
いろんな例を見聞きし、知ることができれば、
不安を和らげるのに役立つのではないか。

そんな思いから
自らも息子の不登校を体験した親である
びーんずネットの二人が、不登校をテーマに
インタビュー事例集を作成しました。

不登校・ひきこもりを経験した人。
その保護者。
子どもたちに寄り添う人。
そして自分の学びを実践した人。

そんな七人七色の「雲と青空」を、
丹念に取材してまとめました。

雲を抜けた先には、
いつも青空が広がっている――。

ぜひ、ページを繰って、
あなた自身でそれを確かめてみてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA