「学びを自由に選べる街」を目指して

地域でキラリ☆な人を取材!
びーんずメイトVol.29
NPO法人優タウン代表 小沼陽子さん

神奈川県藤沢市で、
ホームスクーリングの家庭と
地域をつなぐ活動をしている
NPO法人優タウン。
地域みんなで子どもを育てあう、
どんな子どもにもやさしい街、
「優タウン」の実現を目指しています。

「学校に行っても行かなくても、
自立した人生を歩める子どもたちを
育てられる街にしたい」と語る
小沼さんに、その思いをうかがいました。

笑顔があふれるワークショップ。この日は「スライムと竹笛つくり」

――小沼さんがこのご活動を始めたきっかけを教えてください。

私の息子は不登校のとき、フリースクールには行かなかったんですよ。たくさん見学もしたんですけど合わなくて。

結局、家を起点に学ぶことにしたんですが、私たち自身なかなか外に出られなかったんです。学校のある時間帯には近所の目が気になって外に出られない――そのことにすごく違和感を感じて。

公園でも児童館でも昼間から遊べる。学校に行ってもいいし、フリースクールに行ってもいいし、ホームスクーリングでもいい。学び場はいっぱいあるのだから、それを選びやすい環境をつくりたい。

それで2017年の2月に「ホームスクーリングで輝くみらいタウンプロジェクト」を立ち上げたんです。6年目の今年、新たに「優タウン」と名づけてNPO法人化しました。子どもたちが自分で学びを選んでいく。それが自由にできる街を目指しています。

NPO法人優タウン代表・小沼陽子さん

――スタッフの方も増えましたか?

おかげさまで今、20人ほど関わってくださっています。ワークショップで来てくれる地域の方や、シニアの方や学生さんがボランティアで来てくれたり。不登校に関係なく、男性も女性も、職業も年代もさまざまなところがとてもいいなと思って。

2018年から始めた「朝カフェ」には最初は子どもは全然来てなかったんです。でも、大人たちが話している間に見てくれるスタッフやボランティアがいると、子どもたちがどんどん来るようになりました。

“気配を感じながら”が大事

朝カフェは午前中は親の会で、午後からは同じ場所をフリースペースにしたり、ワークショップをやったり。いつもやることが違うんですよ。前回はお祭りでした。子どもたちが演劇部やダンス部をつくって、発表会を企画してくれたり。朝カフェはどんどん進化してますね。

――親の会をしている横で子どもたちが遊べるスペースがあるのがいいですよね。

そうなんです。今みたいに一つの会議室を二つに区切って、親も子どもも気配を感じながらやるのがすごく良いことに気づいて。ちょっとパーテーションの隙間が空いてるのがいいんですよ。

実はギュッとやればちゃんと閉まるらしいんですけど、うまく閉まらないからもう適当に三割ぐらい開けておくみたいな感じで(笑)。

そうするとお互いに向こう側が見えるし、子どもも安心だし、親御さんも「ちょっと見てきます」と様子を見に行ける。

――うまく閉まらないパーテーションが、絶妙に機能してると。

そうなんです、新たな発見で(笑)。

別にしゃべらなくてもいいんです。なんとなくあそこにいるなみたいな、気配を感じられる空間にいるっていうのが大事で。それもやってみて気づいたことですね。

「笑顔でいられる街」という思いは一緒

藤沢駅前広場で開催しているアート展。作品を通して地域とつながり、それが子どもたちの自信にもつながっている。

――子どもたちの作品を展示する「アート展」も定期的に開催していますね。

朝カフェに来ている「あっくん」という子がいるんですけど、段ボールの電車だったかな? 彼が自分の作品を誰かに見てもらいたいって言いだしたのがきっかけで。

「じゃあ見てもらおう。藤沢駅北口のサンパール広場を借りよう!」って動いていたら「自分も作品を出したい」っていう子がたくさん出てきて、だんだん話が本格化していって。今、アート展には毎回百点ぐらい作品が出品されてますね。

バスが大好きなあっくんはスタッフとして取材の後半に参加。「バスを使った移動式の居場所がほしい」と積極的な企画提案も。

会場が駅前の広場なので、昼間通るのはシニアの方がすごく多いんです。最初は「学校やってる時間帯に何やってるんだ?」と言われるんじゃないかと心配だったんですよ。でも案外何も言われずに。むしろ「いいですね!」なんて言ってもらえて、みんな温かいんだなと心強くなりましたね。

逆に学校帰りのランドセルを背負った子が「なんかズルい」と言っていて、それを聞いた子どもたちがキュッと固まっちゃったり……。

――学校に行ってる子に言われるほうが。

そっちのほうが辛いみたいです。 不登校を経験した若者の話を聞くと、「優タウンのビジョンはいいけれども、地域の人の理解を得ても、友達がわかってくれないと、私たちの悩みは解決しない」と言っていて。

若者にとっては学校がすべてだから、みんなが理解してくれないとラクにならない。「行きたくないなら行かなくていい」「学びの場は選べる」があたり前に広まれば、誰もがラクになれるのになと思いますね。

そのためにも、もっと行政や教育委員会とつながって、協力できるようになっていきたい。私は学校を否定しているわけではないんです。「子どもが笑顔でいられる街にしたい」という思いは一緒なので、私たちが役立てることがあれば支えたいし、一緒にやっていきましょうと伝えたいです。

情報共有や情報交換をしながら、親も子も元気になっていく。「優タウン」の実現に向け、藤沢市を拠点に日々活動中!

NPO法人優タウン「朝Cafe」
日 時:毎月第4木曜日10:00〜12:00
参加費:100円
会 場:神奈川県藤沢市朝日町1-1
藤沢市役所分庁舎
藤沢市社会福祉協議会2階活動室
問合せ:office@yu-town.org

金子(A)

 

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不登校インタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』Vol.10

学校へ行かずにいると、将来どうなるの?
学校に行かなくてほんとうに大丈夫なの?

もちろん、そこに正解なんてありません。
世の中の多くのものごとと同じように。

でも、
いろんな例を見聞きし、知ることができれば、
不安を和らげるのに役立つのではないか。

そんな思いから
自らも息子の不登校を体験した親である
びーんずネットの二人が、不登校をテーマに
インタビュー事例集を作成しました。

不登校・ひきこもりを経験した人。
その保護者。
子どもたちに寄り添う人。
そして自分の学びを実践した人。

そんな七人七色の「雲と青空」を、
丹念に取材してまとめました。

雲を抜けた先には、
いつも青空が広がっている――。

ぜひ、ページを繰って、
あなた自身でそれを確かめてみてください。

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