スキルよりスキを磨こう

地域でキラリ☆な人を取材!
びーんずメイトVol.24
探求自立型教室 シン・スクール代表 吉澤一雅さん

ゲームで学び遊ぶ、
リアル&オンラインの子どもの学び場、
東京都清瀬市の探求自立型教室
「シン・スクール」。

「面白い」「やってみたい」
と思えるモノから学びと
本当の主体性を引き出したい―― 。

フリースクール、学童、学習教室と
複数の側面を持つシン・スクール代表の
「ヨッシー塾長」こと吉澤一雅さんに
お話をうかがいました。

「まず遊ぼう・そして学ぼう」を地で行くシンスク・キッズたち

――「ゲームで学ぶ場」というのはすごく面白いです。シン・スクールを立ち上げたきっかけを教えてください。

僕はもともと地元の清瀬市で学習塾を九年間運営していたんです。2020年のコロナ禍をきっかけにリアルとオンラインに塾を変えていって、フリースクール部分をガツッと入れたのが2021年です。それは僕自身がもう一段ギアを上げてというか、さらにとんがっちゃおうと。ゲームに特化して、ゲームでつながる子たちだけを集めようと、大きく変わったんですね。

おかげで地元の清瀬市以外の地域――東久留米市とか東村山市、国分寺市からも子どもたちが来るようになりました。あとオンラインでは奈良、滋賀、横浜、海外ではフランス、ドイツにもシン・スクールの会員がいて、僕と同じ考えの人が集まるようになって、いろんな面で面白くなってきていますね。

シン・スクール代表・吉澤一雅さん

とんがったデジタル好きを守りたい

学習塾のころも「楽しみながら学ぶ」という考え方は同じでした。出だしはマンガだったんですね。例えば歴史も、まず歴史マンガを読んで、ストーリーを頭に入れてから覚えたほうが断然いいよって。でもここ五年くらいでマンガすら読まなくなってる子たちが増えたんです。ユーチューブとかティックトックとか動画にどんどんみんなが流れてきていて。

『シン・ニホン』とか、僕もいろんな本を読んで勉強していく中で、世の中全体はどんどんデジタル化して動画化している。そこで教育的な観点と、子どもらの面白さの観点との合わせ技が一番集約されているのがゲームだと気づいたんです。

――それまでの学習塾から大きな路線変更ですよね?

僕の中で学校教育に対してもうはっきり見切りじゃないですけど、本当に関係ないスタンスで行こうって思ったんです。それまではいかに学校教育を応援するか、そこにくっつくかだったんです。でもそこからちょっと離れようと。学校教育を無視はしないけども、いつまでもそこにくっついてるとこれから生きていく子どもたちにとって逆にやばくない? って感覚になってきたんです。デジタル系に興味のあるとんがった子たちがいないと、今後の日本はどんどんだめになっちゃうんじゃないかと。

でもそれを一番否定しちゃってるのが学校教育なので――作文を四百字詰め原稿用紙に手書きで全部書かせるとかね。アナログで、とんがった好奇心なんていらないのが学校だから、僕の中で守るべき子どもたちの存在と学校がだいぶ乖離してきてしまったんです。

それで、とんがったデジタル好きな子たちを守ろうとシン・スクールをつくったんです。そうしたらやっぱり非常に好奇心旺盛でデジタル好きの子たちばかりがここに集まって来ているので、目的は達成できているのかなと思いますね。

距離を超えてどんどん「好き」で仲間とつながるシン・スクール。現在はオンラインで参加する子が全体の半分以上になっている。

受け入れる本気の大人がいる場所

僕自身が元々好きでずっとゲームを追っかけてはいたんですけど、「本当にゲームも学びになるよな」って感じたのはこの数年ぐらいですね。技術の進歩が大きいと思います。

算数にしろ国語にしろ、必要な計算とか会話とかをするのに、ゲームの中で「ちょっと社会を生きてみる」ことが一番の学びになるんじゃないかと。特に一人でやる系の、世界観があってその中で自分で生きていくゲームですね。

――息子がやっているゲームを見てそう思いました。新宿の歌舞伎町でうちの子、カツアゲされていました(笑)。

そうそうそう。その経験が大事なんです。

カツアゲされるっていうのはリアルには危ないけど、ゲームの中でならいくら失敗しても、殺されてもやり直せるから(笑)。

――現実を生きる練習にもなるんですね。

そうですね。あと思うのは一人でやるゲームなら家でもできるんですけど、わざわざここへ来る子たちはやっぱり「ゲーム好きな自分」を受け入れてほしいんですよね。

だから受け入れる本気の大人がいるところを見せないと。「ゲームやっててもいいんだよ」じゃなくて、「これがいいんだよ!」って言える大人がいる場所が、彼らには嬉しいんじゃないかなと思います。

「高校入試なんとかなるよ」の標語と共に掲げられた入口の張り紙。続々と好奇心旺盛なデジタル好きが集結中。

そういう子たちに僕は「スキルよりスキを磨こう」って言ってます。技術よりも先に自分の興味関心を極めて、磨いていく。「何が好きか」を尖らせる感じですね。

その「好き」には方向性があるんです。それを見抜かないといけない。例えば「マインクラフトが好き」って言う子がいたとして、それはあくまでも今、その子が知っているのがマインクラフトだからで、全部のゲームをやって好きって言ってるわけじゃない。だから「この子は自分で作ったり考えたり系が好きなんだな」ぐらいに、ゆるく置いといてあげればいい。

「下手したらこれで食べていけるんじゃないか?」とか思いがちなんですけど、決めつけるのは違う。「別にスキルを磨かなくてもいい。好きを探そう」って感じですね。

「ゲームだから主体性もつながりも学べる」と話す吉澤さん。ゲームで学ぶ場としてのシン・スクールを、日々発信している。

探求自立型教室 シン・スクール
住所 :東京都清瀬市野塩4丁目81-13
日時 :火・水・木 10:00~15:00(フリースクール)
利用料 :詳細はHP参照
https://www.shin-school.com/
問合せ:042-497-2139
メール:support@shin-school.com

金子(A)

 

ブログランキングに登録しています。
応援いただけたら嬉しいです。クリックお願いします。

にほんブログ村 子育てブログ 不登校・ひきこもり育児へ

不登校インタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』Vol.9

学校へ行かずにいると、将来どうなるの?
学校に行かなくてほんとうに大丈夫なの?

もちろん、そこに正解なんてありません。
世の中の多くのものごとと同じように。

でも、
いろんな例を見聞きし、知ることができれば、
不安を和らげるのに役立つのではないか。

そんな思いから
自らも息子の不登校を体験した親である
びーんずネットの二人が、不登校をテーマに
インタビュー事例集を作成しました。

不登校・ひきこもりを経験した人。
その保護者。
子どもたちに寄り添う人。
そして自分の学びを実践した人。

そんな七人七色の「雲と青空」を、
丹念に取材してまとめました。

雲を抜けた先には、
いつも青空が広がっている――。

ぜひ、ページを繰って、
あなた自身でそれを確かめてみてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA