私が「親業」で得たもの(3)問題を抱えているのは誰?
こんにちは。
金子(A)です。
親業インストラクターの私が
なぜ親業を学ぶようになったか、
学んだことで、何が変わり、
何を得たかについてのお話しです。
5回シリーズの第3回目です。
「あなたの子どもは、あなたの子どもではない」
親業訓練一般講座も最終回が迫った頃、
宿題として読んで来るように言われていた
テキスト「親業」13章を開き、
そこに引用されていた詩に
私は胸を突かれました。
カリール・ジブラン「預言者」から
「子どもについて」の一節です。
あなたの子どもは、あなたの子どもではない
待ちこがれた生そのものの息子であり、娘である
あなたを経て来たが、あなたから来たのではない、
あなたと共にいるが、あなたに属してはいない
なぜなら、彼らには彼らの考えがあるから
あなたが彼らのようになる努力はしたとしても、
彼らをあなたのようにすることを求めてはならない
なぜなら、生は後戻りしないし、
きのうのままにとどまりもしないのだから
(トマス・ゴードン著 近藤千恵訳『親業ー子どもの考える力をのばす親子関係のつくり方』大和書房 268頁)
問題を抱えているのは誰なのか
私はまさに、
息子を自分の延長のようにとらえていたのです。
幼稚園でからかわれる息子、
ストレスで精神的に不安定になった息子の苦しみを
まるで自分のことのように感じていました。
問題を抱えて苦しんでいるのは本当は誰なのか。
彼です。
私ではありません。
その彼の様子を見て心配する気持ちと、
彼自身の苦しみを
自分が引き受けることとは違います。
彼の苦しみは、彼のものです。
息子と私の「価値観」の違い
価値観の違いについても、
深く考えることになりました。
同じ服をずっと着たままでいる息子に、
他に服を持っていないみたいに思われると
私が恥ずかしいから違う服を着なさいと
うるさく言い続けたし、
私が好きな絵本にまったく興味を示さない息子に苛立ちもしました。
夫の得意なピアノを習わせて、
親子で連弾できたら素敵だろうと思っていましたが、
息子はピアノは嫌だというのでひどく落胆したし、
まだ字がまったく読めないでいる息子に対して焦りもしました。
「私はあなたの歳の頃にはもうお話を書いてたよ!」
と言ったり。
私を通ってやってきた人
息子は息子なのです。
私とも、他の誰とも違う唯一無二の存在。
私から産まれたのではなく、
私を通ってやってきた人。
そう思えば、
考えの違い、価値観の違いから来る私には理解できない行動も、
彼の個性なのだと思えてきます。
・・・・・・・・・・・・・・
次回は「離別感」について、
お話します。
<続く>
P.S.
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