地域でつくる、ごちゃまぜの学びの場

地域でキラリ☆な人を取材!
びーんずメイトVol.14「多様な学びプロジェクト@せたがや」
代表・松本敬子さん

東京都世田谷区・二子玉川駅徒歩2分
戸建てを改装して、この春から
「らくらくハウス」の運営を始めた
「多様な学びプロジェクト@せたがや」。

“地域のみんなでつくる、みんなの居場所”
を目指したいと話す代表の松本敬子さんに、
らくらくハウスを拠点にした
地域での活動構想をうかがいました。

“みんなでマインクラフトを楽しむ部活”略して「マイクラ部」

――松本さんが現在のご活動を始めた経緯を教えていただけますか?

私の子どもが小学一年生のとき、授業参観に行ったんですけど「つまんないな」と思ったんです(笑)。

大人が六時間つまんない会議に出されてるのと同じだなと思ったんですよね。よく子どもたちは耐えていられるな、と。

今の教育のあり方を考えたいと思って調べる中で、PTAの教育研修委員会の活動で1年目にリヒテルズ直子さん、2年目に汐見稔幸さん、3年目に五味太郎さん(『勉強しなければだいじょうぶ』で教育論を展開)、4年目に岩瀬直樹さん(軽井沢風越学園)をお呼びして講演会をしたんです。

多様な学びプロジェクト@せたがや代表 松本敬子さん

――そうそうたる顔ぶれですね。松本さんが呼びたい方を呼べたんですか?

そうです。私が共感できる方々に、子どもたちがもっと楽しく幸せになれる教育をつくりたいという思いをお話ししてお願いしたら、快諾していただけました。

そうこうしてるうちに自分の子二人が不登校になったんです。それで学校に行く行かないに関係なく、それぞれの子どもがそれぞれ学びたいことを楽しく学べるシステムが必要だと感じて。ママ友を募って2019年からこの活動を始めました。

すべてごちゃまぜの地域の学び場を

子どもひとり一人にあった教育をオーダーメイドでつくる。いろんな大人に関わってもらうような個別最適化の学びの場をつくりたいと思っていたんですけど、検索したらなんと「多様な学びプロジェクト」の生駒知里さんが同じことをやってるじゃないですか?

そこで、生駒さんにコラボさせていただきたいと提案して、私たちは「多様な学びプロジェクト@せたがや」にさせてもらったんです。

――この「らくらくハウス」は今後、どんなふうに活用していかれる予定ですか?

教育哲学者の苫野一徳さんが提唱する「ごちゃまぜラーニングセンター」にしたいんです。苫野さんにも「名前使ってもいいですか?」って連絡したんです(笑)。

不登校や発達障害の子はもちろん、それこそ夜間中学から、サラリーマンの学び直しや主婦の生涯学習まで、どんな学びもごちゃまぜにして、地域の学び場っていうことにしたい。

つまり、学びたい人は、誰でもいつでもどこでも学べるようになったらいいな、と思うんです。まさに実業家の孫泰蔵さんが仰ってるんですけど、小学校から大学まで十数年ずっと学び続けて、卒業したらずーっと労働っていうのはおかしくて。

“好き”を仕事にしている大人から学ぶ「まちの先生」。この日は作詞家・詩人の先生による「ことばのゲージュツ家になろう!」。

生涯、学びたいときに学べる。それを地域の助け合いで学ぶ。これを私はモデルにして、全国どこでもこのスタイルでやれるようにしたいと思ってるんですね。

不登校の子からお年寄りまで、いろんな学びを分け隔てなく応援してくれる場のモデルにしたいと。

スタッフが集まれば毎日でも、朝から晩までここを開けていたいんです。例えば午前中は詩の授業、午後は英語とか、もう毎日のようにいろんな先生が入れ代わり立ち代わり来るような、そういう地域の人たちの学びの場にしたいと思っています。

あと、地域のカフェ、ランチ、バーとか。

――カフェ、ランチ、バーですか?

例えば月曜日は佐藤さんの奥さんのランチ、火曜日は鈴木さんの奥さんのランチとか。コーヒー道楽してるお父さんとかお爺ちゃんがいれば、コーヒーを淹れてもらって、カフェタイムにしたり。

で、夜になったら月曜日はバー朋子とか、火曜日はバー圭子とか、水曜日はキャバレー克子(笑)。

ただ、今はコロナでしばらくはできないので、ゆっくりゆっくり立ち上げることにしています。

雑誌やチラシを切り抜いた「言葉の紙片」を色紙に貼っていく。ことばのコラージュからゲージュツが生まれる瞬間。

 “子ども商店・ときどきおとな商店”も

中高生の自習室もやりたいんです。この地域って図書館が近くにないから、ファミレスで勉強してる子が多いので。

地の利も良いから、シェアオフィスも一緒に。

それから「持ち寄り図書館&本屋さん」や、「子ども商店・ときどきおとな商店」もつくりたいんです。

子どもが売りたいもの――絵でもプラモデルでも自分の工作でもいいですし、売りたいものを売れるお店。そこに「ときどきおとな商店」もOKで、お母さんたちも売れるものを見つけて出店してください、っていう……。

だからびーんずネットさんも『雲の向こうはいつも青空』を売ってください(笑)。

――ああ、ぜひお願いしたいです(笑)。 松本さんのそういうアイディアや活動を前に進める力はどこから来ているんですか?

何でしょうね? ごちゃまぜラーニングセンターも、自習室も、持ち寄り図書館もね、ないから考えたんです――ないから必要に迫られて。

取りあえずやってみて、です。問題は起きてから解決すればいいので(笑)。

らくらくハウスでは一緒に活動してくれるメンバー、サポーター、プロボノ、単発お手伝いの方を募集中。

らくらくハウス
●住 所:東京都世田谷区玉川1-8-2(二子玉川駅徒歩2分)
●開催日:不定期
(「らくらくハウス」や「ごちゃまぜラーニングセンター」のHPは現在準備中。当面のイベントや活動の詳細は「多様な学びプロジェクト@せたがや」のFacebookページを参照)
https://www.facebook.com/tayounamanabisetagaya/
●問合先:tayounamanabi.setagaya@gmail.com

金子(A)

 

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不登校インタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』Vol.10

学校へ行かずにいると、将来どうなるの?
学校に行かなくてほんとうに大丈夫なの?

もちろん、そこに正解なんてありません。
世の中の多くのものごとと同じように。

でも、
いろんな例を見聞きし、知ることができれば、
不安を和らげるのに役立つのではないか。

そんな思いから
自らも息子の不登校を体験した親である
びーんずネットの二人が、不登校をテーマに
インタビュー事例集を作成しました。

不登校・ひきこもりを経験した人。
その保護者。
子どもたちに寄り添う人。
そして自分の学びを実践した人。

そんな七人七色の「雲と青空」を、
丹念に取材してまとめました。

雲を抜けた先には、
いつも青空が広がっている――。

ぜひ、ページを繰って、
あなた自身でそれを確かめてみてください。

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